「定年ゴジラ」 [重松 清の本]
久々に読書。
定年したオジサンの話かぁ~うーん興味ない・・・
と思い、なかなか手が伸びなかった本。
しかし、読んでみると・・・面白い。一気に読みました。
近年の重松作品は、少々シリアスなものが多いですが、
これはコメディとしてもいける、クスクスっと笑ってしまう場面も多くありました。
もちろん扱うテーマはなかなかシリアスなのですが、
登場人物が皆、個性的で憎めない可愛いオジサン方で。
30年前に開発されたニュータウンに住む定年を迎えた山崎さん。有り余る時間をもてあまし
途方に暮れる。そんな中、先に定年を迎えていた町内会長や野村さん、藤田さんという
散歩仲間が出来る・・・・。
町内会長は二世帯同居で姑・嫁問題に悩まされ、
野村さんは長い単身赴任生活から家族の元に戻り、家の中で浦島太郎状態。
それぞれおかれてる環境は安泰とはいえないのですが、なぜか軽い感じがする。
重松さんがまだ30代だった頃の作品だからでしょうか。やけに若若しいのです、彼ら。
会話も元気だし。
私には定年迎えて数年たってる義父が居ますが、こんなに元気じゃないです。
抜け殻になってしまってます。
だから、いろいろ試行錯誤しながらも、熱中できるものを見つけようとしたり、
新しいことに挑戦してみたりするこの4人のおじ様がたは
「なんかいいなぁ・・」
と思うのです。
それぞれの会社でそれなりの地位にいた人たちですが、
定年になって肩書きがなくなって、すぐにご近所さんと仲良くお酒飲んだり散歩したり、
人懐っこい。
普通なかなか出来ないのではないでしょうか。
仕事で人生の半分以上を費やして、その後の人生を「余り」として
ただ抜け殻のように過ごすなんてもったいない。
第二の人生も謳歌しなくちゃ。
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