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「定年ゴジラ」 [重松 清の本]

定年ゴジラ (講談社文庫)

定年ゴジラ (講談社文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/02
  • メディア: 文庫

 久々に読書。

定年したオジサンの話かぁ~うーん興味ない・・・

と思い、なかなか手が伸びなかった本。

しかし、読んでみると・・・面白い。一気に読みました。

近年の重松作品は、少々シリアスなものが多いですが、

これはコメディとしてもいける、クスクスっと笑ってしまう場面も多くありました。

もちろん扱うテーマはなかなかシリアスなのですが、

登場人物が皆、個性的で憎めない可愛いオジサン方で。


30年前に開発されたニュータウンに住む定年を迎えた山崎さん。有り余る時間をもてあまし

途方に暮れる。そんな中、先に定年を迎えていた町内会長や野村さん、藤田さんという

散歩仲間が出来る・・・・。


町内会長は二世帯同居で姑・嫁問題に悩まされ、

野村さんは長い単身赴任生活から家族の元に戻り、家の中で浦島太郎状態。

それぞれおかれてる環境は安泰とはいえないのですが、なぜか軽い感じがする。

重松さんがまだ30代だった頃の作品だからでしょうか。やけに若若しいのです、彼ら。

会話も元気だし。

私には定年迎えて数年たってる義父が居ますが、こんなに元気じゃないです。

抜け殻になってしまってます。

だから、いろいろ試行錯誤しながらも、熱中できるものを見つけようとしたり、

新しいことに挑戦してみたりするこの4人のおじ様がたは

「なんかいいなぁ・・」

と思うのです。

それぞれの会社でそれなりの地位にいた人たちですが、

定年になって肩書きがなくなって、すぐにご近所さんと仲良くお酒飲んだり散歩したり、

人懐っこい。

普通なかなか出来ないのではないでしょうか。

仕事で人生の半分以上を費やして、その後の人生を「余り」として

ただ抜け殻のように過ごすなんてもったいない。

第二の人生も謳歌しなくちゃ。

 

 

 

 


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