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少しだけ欠けた月~季節風 秋 [重松 清の本]

少しだけ欠けた月―季節風 秋

 

(内容「BOOK」データベースより)

静かな、静かな、ひとりぼっちの月。ぼくたちは明日から、もう家族じゃない。澄んだ光に満ちた秋が、かけがえのない時間を連れてくるものがたりの歳時記―「秋」の巻、12編。

読みきり短編集。
短い。新聞に連載されていたとだけあって、かなり短い。
よってちょっと物足りない。
あっさりしていて盛り上がったり、泣かせたりというのがないです。
重松清番外編って感じ。
でも読みきりなので育児の隙間時間に読めるのでちょうど良かった。
物語のなかにところどころ秋を感じる表現で統一感があるが、表題作「少しだけ欠けた月」は、
題は良いのに、インパクト不足だった。
他の短編も短かいせいか終わり方が拍子抜け。似たような感想をもった。
その中で最後の「田中さんの休日」はなかなか面白かった。
ちょっと元気がないサラリーマンで(クソ)真面目な田中さんは妻と一人娘の三人家族。
思春期に入った娘は父親とめったに口をきかなくなり、寂しい。母娘は仲良しで
家族ですっかり孤立した状態の田中さん。
そんな家族が娘のカンニング事件をきっかけにひさしぶりに三人で日曜日に
出かけることになる。
行き先は娘がまだ幼かった頃何度も訪れた遊園地。
小さい子ども連れに父親たちの姿にかつての自分の姿を重ね、田中さんは
少しずつ元気を取り戻していく・・・・。
我が家の娘もまだ小さいけれど、いつかはウチの夫も同じような思いをするのかも。。。
と思いながら読んだらなんだか少し切なくなった。
でも母と娘の田中さんへの目線はあたたかく、重松作品にしては珍しくさわやかな後味の
物語であった。
この季節風シリーズは他に春、夏、冬と出ているのでまた隙間時間に読んでみたい。
個人的には短編集なら「日曜日の夕刊」のほうが好きだが。

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